実は、先日YouTubeデビューしました(笑)
この配信、せっかくなので本格的に映像を切り替えたりPIP(Picture in Picture)みたいなことをやって格好良く見せようと、YouTuberには馴染みの深いOBS Studioというソフトなども設定して仕込んでいたのですが、1台のマシンでOBS操作しながらZoomとKeynoteを操作するという壮絶ワンオペだと、マシンに相当の負荷がかかって(社内のMacの中ではそこそこパワーはあるはずのマシンなんですが、それでも)、配信自体に影響がでてしまうことがわかり、Zoomからの直接配信に切り替えてのライブ配信でした。
とはいえ、ZoomからYouTubeへのライブ配信の場合であれば、Keynoteに全てのコンテンツを仕込んでしまえば、ある程度はそれらしく見せられなくもないので、今回はZoomからの直接配信にて行いました。
そもそもZoomミーティングってYouTube配信できるの?という方もいらっしゃるかと思いますが、ZoomミーティングをYouTubeで配信する方法は2つあります。
- Zoomミーティングを録画して、それを自身のYouTubeチャンネルにアップして公開
- Zoomミーティングをリアルタイムで自身のYouTubeチャンネルでライブ配信
今回の動画は、予告編のために作ったミーティングルームを、YouTubeに繋いで、ライブ配信したものになります。
Zoomミーティングをライブ配信するには、Zoomの設定画面でライブ配信を有効にする必要があります。
Zoomの設定画面から「一般」を選び、この画面の下にある「さらに設定を表示する」をクリックすると、ブラウザが開き詳細な設定ができるようになります。
ここで、左メニューにある「ミーティングにて(詳細)」をクリックして、少しばかりスクロールすると、次のような設定が現れます。(「ミーティングにて」ってどんなローカライズだよw)
ここで、配信をしたいサービスがあるので、許可するサービスにチェックを入れるのですが、ここでのポイントは「カスタムライブストリーム配信サービス」にチェックを入れることです。
FacebookとYouTubeについては、これだけでライブ配信ができるようになるのですが、Zoomからは即時配信となるため時間を決めて事前に仕込んでからの配信を行う場合、「カスタムライブストリーム配信サービス」を利用する必要があります。
さて、そんなZoomからYouTube Liveへのライブ配信については、ネットを探せばとにかく情報があふれているので、興味のある方はぜひそちらをご覧くださいということで、前置きがだいぶ長くなりましたが今回はZoomからMicrosoft Streamへのライブ配信方法について紹介します。
社内コミュニケーション施策としての動画版「社内報」
その前に、なぜYouTubeやFacebookではなく、Microsoft Streamなのかというと、実は7月より社内コミュニケーション強化のため、私が所属している広報室で「ラジ広報」という動画版社内報を始めました。
勤務先であるKDDIウェブコミュニケーションズでは、新型コロナウィルスの感染拡大の懸念があった3月末よりテレワークへ切り替わり、緊急事態宣言解除後は注意を払っての出社は可としつつも、ほとんどの社員が今でもテレワークをおこなっています。
そういう環境から、不足しがちな社内情報の共有や社内コミュニケーションを活性化させる必要があると判断し、6月上旬に広報室で検討に入り7月から始めたのでした。
そんなラジ広報は、あらかじめ各部門から集めた情報をまとめて、動画にして配信しているのですが、もともとはお昼休みの校内放送のような感じで、休憩時間に気軽に聞いてもらいたいというコンセプトがあり、その延長でライブ放送もしたいよねということを話していました。そんなこともあり、ZoomからYouTubeへの配信については、先述の通り実績があるものの、さすがに社内情報をいくら限定公開でもYouTubeに載せるのはダメだよねということで、ライブ配信については調査した上でなにかしらできたらということになっていました。
弊社では、Microsoft 365を導入していて、録画版のラジ広報はMicrosoft 365で利用可能なMicrosoft Streamに動画をアップロードして社員に見てもらっています。そのMicrosoft Streamにある「ライブイベント」機能を活用することで、お昼の校内放送のような情報提供も可能だなと気づいたのです。ただ、ZoomからYouTubeへ直接ライブ配信する方法は、ネットにあふれんばかりの情報があるのに、ZoomからMicrosoft Streamに関する情報が探してもなかなか見つからず、OBSでの配信方法を見つけました。そこに書いてあることをZoomのライブ設定でやればいけるんじゃね?という興味から試してみたのが今回の話です。
ちなみに、Zoomを使っているのなら、普通にZoomミーティングを開いて社員に参加してもらえばいいんじゃね?と思う方もいるかもしれませんが、そこは少し違います。Zoomミーティングに入ることで誰がいて誰がいないというのはすぐにわかってしまいますし、お昼の校内放送のような雰囲気を出すのにそこに全社員を強制的に招いて参加してもらうのは、本来のコンセプトとは異なります。また、それであれば、全社会議とたいして変わらないですよね。
なので、あくまでも配信者だけが集まって、それを見たい人が見るという形にこだわってのライブ配信を目指しているのです。
Zoomミーティングをセットアップ
Zoomを使ったライブ配信では、ミーティングルームを作るところから始めます。ポイントは以下の通り。
- 前途の通り、ミーティングの詳細設定で「カスタムライブストリーム配信サービス」にチェックを入れておく
- ミーティングルームの開始時間はライブ配信より少し前にセットしておく
Zoomミーティングをセットする際に、時間よりも前の入室を許可しておけば、この限りではないのですが、以下に説明するMicrosoft Streamとの接続を済ませておく必要があるのと、複数人でライブ配信を行う場合、事前の打ち合わせなども考慮して、ライブ開始時間よりも早くセットしておきましょう。
現時点ではこれ以外はセットする必要がないので、Streamの設定に移ります。
Microsoft Streamの設定
Microsoft Streamへアクセスし(自社のアカウントでログインします)、メニューにある「作成」から「ライブイベント」をクリックします。すると、次のような画面になります。
ここで右側にある項目に必要な情報を設定します。
詳細タブ
- 「名前」にイベント名を入力(必須項目)
- 「説明」はあとから追加可能なのでここでは無し
- 「サムネイル」はあとから追加可能なのでここでは無し(最初にあった方が後がラクですが)
- 「言語の選択」で日本語を選択(必須ではないが選択しておく方がベター)
- 「イベントの開始」は「特定の日時」のまま開始日と終了日、それぞれの時間をセット
アクセス許可タブ
基本的に社内向けなのでいじる必要はありませんが、特定の社員にのみ見せたい場合は、「社内の全員にこの動画の閲覧を許可する」のチェックを外し、「共有する相手」で共有したい人の名前を入力して選択します。Microsoft 365なので、名前を入力すると所属先の社員名が出てきます。
オプションタブ
ここのタブでは、トランスクリプトを設定することができます。詳細タブの「言語の選択」で減を選んでおくと、「字幕ファイルの自動生成」にチェックが入ります。こうすることで、動画内の音声を自動で日本語に変換して字幕にしてくれる便利機能です。誤認識もあるため、実際に書き出されたスクリプトは少しばかりおかしな感じもありますが、書き出されたスクリプトは後から修正も可能です。
ここまで設定できたら、「公開」をクリックします。すると、次のような画面になります。
ここでこのままセットアップを開始したいところですが、Zoomからライブ配信を行うにあたって必要な情報があります。それは、このライブ動画のURLです。どこで利用するのかは後述しますが、セットアップをいったん中断し、メニューにある「マイコンテンツ」から「ビデオ」を選択してビデオのリストを表示させます。
一番上に現在設定中のライブ配信動画があるので、右側にある「・・・」をクリックして「共有」をクリックします。
ビデオのリンクが表示されるので、「コピー」をクリックして、忘れずにメモ帳などに貼り付けておきます(後で面倒なので絶対に忘れないように)。コピーを貼り付け終えたら、リストに戻り動画の右にある鉛筆マークをクリックすると先ほどのセットアップ画面に戻ります。
ここからは、Zoomの設定に移るのですが、その前に、このページの下の方にある「サーバー取り込み URL」から「コピー」をクリックしてURLをコピーします。
先ほど作成したZoomミーティングを開始します。Zoomウィンドウが開いたら、ウィンドウ下のツールバーの右端にある「詳細」をクリックし、「ライブ中 カスタムライブストリーム配信サービス」というのをクリックします。
ブラウザが開くのでそれぞれに必要な情報を入れます。
1つめの「ストリーム配信用のURL」は、先ほどコピーした「サーバー取り込み URL」を貼り付けます。
3つめの「ライブストリーム配信ページのURL」は、メモ帳にコピーしておいたライブ動画のURLです。
2つめにある「ストリーミングキー」は、ライブ配信サービスごとに払い出されるキーで、YouTube LiveやFacebookなどでは、ライブごとにそれぞれ固有のキーが払い出されるのですが、Microsoft Streamはストリーミングキーが払い出されません。その代わりに「123456」を入れます。これは配信のたびに変える必要は無く、固定で「123456」を入れることになっています。
Zoom側の準備が整ったので、「Go Live!」をクリックして、Microsoft Streamと接続します。
Microsoft Streamの画面に戻り「セットアップを開始します」をクリックします。Zoomとの接続が確立するとプレビュー画面にZoom画面が表示されます。
これで準備が整いました。あとは、時間になったら「開始」をクリックしてライブイベントが始まります。
思ったよりも簡単にZoomからライブ配信ができるのがわかったかと思います。専門的な知識はほぼ不要。手順通りに情報を登録したり、コピペしていくだけで、Zoomなら簡単にライブ配信ができます。