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FUJIFILM X-S10 標準レンズキットのキットレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ で星空撮影してみた


星空撮影永遠の初心者のTSTUDIOです🤣。星空撮影は基本的に可能な限り明るいレンズをつかうことをオススメするのですが、最低でもF2.8以下なんていう記事をよくみかけます。かくいう私も、LUMIX DMC-G8で星空撮影をしていたときは、現OM SYSTEM(元OLYMPUS)のM.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0で撮影していました。

FUJIFILM X-S10 標準レンズキットを購入してからは、SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSで撮影をしています。どちらのレンズもF2.0と明るいレンズなのですが、ふとキットレンズで撮影したらどう映るかな?という疑問を抱きました。星空撮影では明るいレンズをとは言われてはいますが、実際にポンポンとレンズを買い足すというのはできるわけではありませんよね。購入時についていたレンズで撮ることはできないのか?って思うのではないでしょうか。

ということで、今回はFUJIFILM X-S10 標準レンズキットに付属のフジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZで撮影してみたので、そのときの時間帯などの環境と実際の撮影したものとあわせて紹介していこうと思います。

XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZってどんなレンズ?

現在販売終了となっているX-S10の標準レンズキットに付属しているレンズXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは、ダブルズームキットに付属してくるレンズで、単体でも3万円以下、中古だと1万円台で購入できるいわゆる入門用のレンズです。

広角側で15mm、望遠側で45mmの画角をもっていて、パワーズーム機能によって、レンズの長さは変わらずに15mmから45mmの間での撮影が可能になります。また、広角側の明るさはF3.5、望遠側の明るさはF5.6スタートになります。

キットレンズはあまり明るいレンズではないのでボケにくいということでプロの方にとっては敬遠されがちなのですが、いわゆるカメラを始めた人でも普通にいい絵で撮るために作られているレンズですので、決して悪いレンズではありません。日中の街角スナップなどでは、広角と望遠をうまく使い分けてフィルムシミュレーションなどを組み合わせれば、カメラが楽しいって思うはずです。

そんなキットレンズですが、先述の通り星空撮影ではなるべく明るいレンズを使った方がより星を多く捉えることができるので、F3.5の明るさのレンズXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZでは、星空撮影にはあまり向いていません。ただ、絶対に撮れないかというとそうではありません。FUJIFILMのカメラの高感度耐性のおかげで、キットレンズXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZでも設定しだいでは星空撮影は可能なので、今回はキットレンズXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZでの作例をご紹介していきます。

上弦の月が昇っている悪条件下でXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZを使って撮影

星空撮影では、月明かりのある状態は星が月明かりでかき消されて、条件としては良くありません。なので、多くの星空写真家のみなさんは、月齢を確認して月明かりで夜空が照らされない時間帯を選んで撮影します。そのため、月齢によっては、真夜中過ぎ以降や明け方近くに撮影する人も居れば、私のように日付が変わらない時間帯に月が出ていない時に撮影する人と本当にさまざまです。

個人的には、夜はちゃんと寝たいので、可能な限り日付が変わる前には撮影を終えたいとなると、本当に限られた時間となりますが、かえって時間が指定出来る分、月齢と月の出、月の入りさえはあくすれば、撮影するタイミングはある程度決めることができます。

そんな星空撮影ですが、XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZで撮影したこの日は、実は悪条件とも言うべき条件下での撮影でした。2021年12月11日は上弦の月(いわゆる半月)で、沖縄県での月の出が13時で月の入りは翌日0時50分でした。撮影時間は21時30分頃から22時30分頃までの約1時間。そのため、撮影機材は月の影に隠れるような所にセットしたものの、全体的にそらがまだ月明かりの影響を受けている時間帯だったこともあり、どのレンズでも厳しかったと思います(という言い訳をしてますがw)。

ISO3200、シャッタースピード15秒、F3.5、長秒ノイズ処理オフ
機材:X-S10 / XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
Adobe Lightroomで加工

撮影場所は、池間島のオハマビーチから南東方面を撮影したものです。12月ということで、オリオン座がのぼってきていました(画面中央上部)。また、冬の大三角形も確認できますね。

先述の通り、この日は上弦の月で時間的に月は西に傾いては居るものの、月明かりの影響は受けているため、普段の撮影時よりも少しばかり設定をいじって撮影しました。以下は普段の月明かりのないときの設定値とこの日の設定値を表にまとめたものになります。参考までにどうぞ。

画質設定

設定項目SAMYANG 12mmF2.0XC15-45mmF3.5-5.6
画質モードRAW
RAW記録方式ロスレス圧縮
ホワイトバランス晴れAUTO
シャープネス-4
高感度ノイズ低減-4
長秒ノイズ低減OFF
色空間Adobe RGB

ここでは月明かりを考慮してホワイトバランスは晴れでも良かったのですが、上弦時の撮影になれていなかったので、ホワイトバランスをカメラに任せました。

フォーカス設定

設定項目SAMYANG 12mmF2.0XC15-45mmF3.5-5.6
フォーカスモードMF
MFアシストPEAK
(フォーカスピーキング:ブルー(強))
スタンダード
フォーカスチェックON

SAMYANGの設定値は、以下の記事がベースになっています。

通常星空撮影をする際には、マニュアルフォーカスで撮影をするのですが、星へのピント合わせはスタンダードにするとピントを合わせるときに拡大されて合わせやすくなります。しかし、SAMYANGのレンズは電子接点のないMFレンズなので、スタンダード設定にしても拡大表示されないため、フォーカスピーキングでの設定にしています。なので、電子接点のあるレンズであれば、XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZに限らずスタンダードにしておきます。

撮影設定

設定項目SAMYANG 12mmF2.0XC15-45mmF3.5-5.6
セルフタイマー2秒
セルフタイマー設定保持ON
感度(ISO)6400-80003200
シャッタースピード15-20秒 10-15秒

月明かりでの撮影では、ここがもっとも重要なところになると思います。感度とシャッタースピードです。感度を上げてシャッタースピードを遅くすることで光を沢山取り込み、真っ暗な中でも星の撮影が可能になります。SAMYANGの設定は、そうした条件下での設定なので、上弦時の月明かりの中では光を取り込みすぎます。

最初の画像は、普段の設定値のISO8000、シャッタースピード20秒で撮影をしたもので、2枚目の方がISO8000、シャッタースピード10秒にしたものをノン加工で書き出したものです。

1枚目の方などは日中とも思わせるような明るさでだったので、シャッタースピードを落としたのですが、それでも明るすぎる気がしたので、ISO感度を落としてシャッタースピードを15秒にして撮影したものが次の写真です。

ISO3200、シャッタースピード15秒、F3.5、長秒ノイズ処理オフ
機材:X-S10 / XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
最初の画像の撮って出し

この写真をLightroomで加工したものが最初に紹介した画像です。非常に撮影には不向きな条件下ではあったのですが、条件に合わせて設定値を上手に変えることでパーフェクトではなくとも星空撮影はできます。そしてなによりも、キットレンズであるXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZでここまで星を捉えてくれるというのがFUJIFILM機の高感度耐性の良さを改めて感じさせてくれるのでした。

ISO3200、シャッタースピード15秒、F3.5、長秒ノイズ処理オフ
機材:X-S10 / XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
Adobe Lightroomで加工

ということで、キットレンズXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZで撮影した星景写真はこんな感じになりましたが、どうでしょうか?キットレンズでも良く撮れているのではないかと思います。X-S10を買って星空撮影にチャレンジしたいけれど、明るいレンズはまだ買えない方でも、星空撮影が楽しめるというのがわかっていただけると嬉しいです。

今度は、好条件下での撮影にもチャレンジしてみたいと思っていますが、実は4月8日発売のSIGMA 16mm F1.4 DC DNを予約しているので、たぶん次の撮影記事はSIGMA 16mm F1.4 DC DNでの作例紹介になりそうですw

それではまた!


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