FIJIFILMのX-S10を購入して以来、写真を撮るのが楽しすぎて、どこに行くにもX-S10を持って行くようになりました。星空撮影と言えば、センサーサイズのフルサイズのカメラが良いという話を見聞きしますが、APS-CであるFUJIFILMのミラーレスカメラは高感度での撮影も問題ないなぁと言う感じなので、ほぼほぼ全部入りしてくれているX-S10は、星空撮影初心者にもお勧めのカメラだと思っています。
そんなX-S10での星空撮影ですが、この冬は好天に恵まれない日が続いたり、せっかく晴れているのに満月に近かったりと、思うように撮影することができませんでした。そんな中でも、かろうじて雲が取れてくれた日や月が昇る前、沈む頃を見計らって何回か撮影をすることができたので、昨年暮れのある日に撮った星景写真を、撮影場所と共にご紹介します。
改めて撮影機材を紹介
X-S10で星空撮影をする上での細かな設定については、先述の記事でも書いていたのですが、レンズ周りについてあまり詳しく書いていなかったので、今回はその辺りから紹介します。
2021年10月末に購入したX-S10は、現在は販売が終了している「15-45mm標準レンズキット」になります。付属のレンズは、XC15-45mm F3.5-5.8といういわゆる至って普通のキットレンズです。
LUMIXで星空撮影をしていたときから星景写真ではレンズの明るさが命といろいろなところで学んだので、広角端15mmというなかなか良い広角域ではあるのですがF3.5は暗いということで、SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSというマニュアルフォーカス専用レンズを星撮り専用で11月に別途購入したのでした。
ちなみに、キットレンズでの撮影も実は別でしていて、どんな風に撮れたのか別途紹介させて頂く予定です。
撮影における機材構成はこんな感じになりました。
カメラ | FUJIFILM X-S10 標準レンズキット |
レンズ | SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS |
レンズフィルター | Kenko レンズフィルター PRO1D プロソフトン クリア (W) 67mm |
三脚 | 無名の三脚 |
レリーズ | セルフタイマーを2秒で設定しての撮影のためなし |
もともと追尾させての撮影ではなく手軽な星景写真撮影ということで、自動追尾システムなどは持っていませんので、この構成のみです。星空撮影をするとなるといろいろと機材を揃える必要がありそうに思えますが、実はカメラと明るいレンズ、そして三脚という最小構成でも十分過ぎるくらいに星空撮影可能です。
たぶん一番大事なのが「明るいレンズ」だと思います。というか、明るいレンズさえあれば、星空撮影はとてもやりやすくなるので、星景写真を撮ってみたい方は1本だけでよいので明るいレンズを購入されることをお勧めします。
その明るいレンズとして購入したSAMYANG 12mm F2.0 NCS CSは、マニュアルフォーカス(以下MF)ながら12mmの広い焦点距離でF2.0の明るさを持つMF専用のレンズです。星景写真では、基本的にオートフォーカス(以下AF)よりもMFでピントを合わせて撮影するので、星空撮影専用という割り切りでこのレンズを買うというのはアリだと思います。もちろん、このSAMYANG 12mm F2.0 NCS CSは超広角で明るいレンズなので、日中の撮影でもMFでピント合わせをすればなかなか良い画が撮れるレンズですのでオススメではあります。
そしてなによりもオススメのポイントが、価格が安いところです。同じような性能を持つAFレンズでこの広角域だと、最低5万円は下ることがなく同じSAMYANGのAFタイプの12mm F2.0のレンズでも5〜6万円はします。SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSは、だいたい3万円〜3万5千円程度で購入できるので、星空撮影を始めるのには非常に敷居が低いレンズだと思います。
星空撮影用のカスタム設定の紹介
星空撮影では、当然星が良く見えるところに行くので、手元も含めてとても暗く、現地でカメラの設定をするのは非常に困難です。もちろん手元を明るくするライトがあれば良いですが、他にも星空撮影をされている方が居たり、星空鑑賞をされている方が居たりするとその明かりだけでも迷惑を掛けてしまう可能性があるので、ライトを照らした設定はできる限り短い時間で済ませておくことが望ましいと思います。なので、必要最低限の設定はカメラに記憶させて、現地に着いたらその設定を選ぶだけにすることで、暗い中での作業をする必要が減ります。
そのための設定がカスタム設定です。X-S10のモードダイヤルにある「C1」〜「C4」までのすきなところに、星空撮影用の設定を登録しておくことで、星空撮影の時はそのモードにセットするだけで直ぐに撮影が始められるというわけですね。
そんな私は、C1に星空撮影用の設定を登録しています。X-S10での星空撮影用の設定は、個人的に勝手に師匠と仰いでいる星空写真家&タイムラプスクリエーターの成澤広幸さんの動画がとても参考になるので、そちらをご覧ください。
この設定を簡単に表にまとめたのが以下になります。
画質設定
画質モード | RAW |
RAW記録方式 | ロスレス圧縮 |
ホワイトバランス | 晴れ |
シャープネス | -4 |
高感度ノイズ低減 | -4 |
長秒ノイズ低減 | OFF |
色空間 | Adobe RGB |
フォーカス設定
フォーカス設定では、電子接点を持つMFレンズやAFレンズだとスタンダードで大丈夫なのですが、SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSが電子接点を持たないため拡大しての確認ができないので、フォーカスピーキングを選んでいます。
フォーカスモード | MF |
MFアシスト | PEAK(フォーカスピーキング:ブルー(強)) |
フォーカスチェック | ON |
撮影設定
感度は、ISO感度の設定なのですが、デフォルト8000にしておきつつ、X-S10にはISOボタンを押せば都度変更が可能なので、撮影してみて明るすぎるかな?と思ったら、ISOボタンを押してダイヤルで感度を下げるなどすると良いと思います。
セルフタイマー | 2秒 |
セルフタイマー設定保持 | ON |
感度(ISO) | 8000 |
これらの設定を私の場合、「C1」に登録しているので、あらかじめレンズをSAMYANG 12mm F2.0 NCS CSにしておき、現地に着いたらモードをC1にしたうえで、三脚にセットして撮影をします。
X-S10で撮影した宮古島の冬の大三角とひかえめな天の川
これは、宮古島の南にあるイムギャーマリンガーデンというところからすぐの港にある休憩所から撮影しています。友利博愛漁港(通称インギャー横港なんていわれているところ)なのですが、星空ポートレート撮影の撮影場所にもなっていて、非常に人気のあるスポットです。
ここは昼間は水平線が見える場所なので、海から登ってくる星ももちろんみえます。ただ、逆に海以外何もないので、星景写真としては東屋などを入れて撮影しています。東屋との角度からちょうど南南西上空をかなり上向きであおるように撮影しています。
縦構図・横構図ともになのですが、SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSはAPS-Cで12mmの超広角レンズ(フルサイズ換算18mm)なので、オリオン座もかなり小さく見えます。肉眼ではもっと大きく見えているのですが、これが超広角故の広さなので、縦構図でも天の川と冬の大三角がしっかり映っています。
実は、近眼な私は、この天の川を肉眼では捉えることができて居らず、撮影して初めて天の川を捉えていたことに気づいたのでした。この日は感度を8000キープで撮影しましたが、ちょうど月もなく真っ暗だったので8000でよかったと思っています。X-S10では周りの暗さとレンズの明るささえバッチリ合えば、これくらいの写真は誰でも簡単に撮ることができると思います!
そして、SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSは、超広角レンズ故のダイナミックな星空を撮影するのには十分な明るさと手軽さ、手頃感を持ったレンズですので、X-S10で星空撮影をしたいという方にはオススメできるレンズです!
ということで、最後はSAMYANG 12mm F2.0 NCS CS押しな感じで締めてしまいましたがw、X-S10で星空撮影記事第二弾ということで、次はキットレンズXC15-45mm F3.5-5.8で撮影した写真をご紹介したいと思います。
それでは!